研究課題/領域番号 |
07710151
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 亜細亜大学 |
研究代表者 |
安川 一 亜細亜大学, 国際関係学部, 助教授 (00200501)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 視覚メディア / ミクロ社会学 / 相互行為論 / エスノメソドロジー / 方法論 / TVニュース / カテゴリー作用 |
研究概要 |
本研究には2つの目的があった。1)視覚メディア経験の研究方法論の整備、2)ミクロ社会学とりわけ相互行為論的メディア分析の可能性の検討である。当初2つの作業を予定した。1)TVニュース表現のスタイル分析(内容分析)、2)大学生を対象とした受容分析である。しかし、資金と時間の制約によって後者は断念した。 前者の作業は次のように実施した。分析素材として、1995年7月31日〜8月18日の月〜金曜、NHKならびに在京民法キ-局すべての18:00〜24:30までのTVニュースを、研究協力者の手を借りてビデオ録画した(計90本、約12,000分)。放映ニュースの全項目リストを作成した後、報道されたいくつかの事件について、カメラの1ショットを単位としてそれぞれ映像・音声・字幕・発話を詳細に記録したタイムテーブルを作成した。既存のメディア研究の内容分析の手法、さらにはエスノメソドロジーの会話分析の手法に、時系列変化を加味して作成した分析フォーマットの定型化の試みである。 こうやって得たデータを、主に「報道を視聴する」という経験に動員されるカテゴリー作用とストーリー構成に注目して分析した。例えば、“強盗殺人事件"の報道を形作る目撃者や被害者が、それぞれ“目撃者"や“被害者"としてどのようにして経験/構成されているのかの分析である。ここでも主にエスノメソドロジー的手法を援用することによって、TV視聴経験が相互行為的に達成されていることを事例分析的に確認できた。 分析事例の一部は日本マス・コミュニケーション学会1995年秋季研究発表会のワークショップで公開した。また、今後の課題としたニュース視聴の実験研究にむけて分析素材の画像データベース化を進めるとともに、キャスターの表現スタイルに対する非言語コミュニケーション研究の手法を援用した分析の準備も進行中である。
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