研究概要 |
Bourdieu,P.et Passeron,J.(“Sociology and Philosophy in France 1945:Death and Re-surrection of a Philosophy without Subject,"Social Research,1967)は、個人の文化的活動等の私的領域や価値、志向性、アスピレーションといった〈文化〉および〈文化的欲求〉(すなわち、ある特定の集団や階級の文化における意味の選択、価値序列)は、所属する社会階層と密接な関連をもつことを指摘した。また、ブルデューはアンケート調査の分析を通して、文学・絵画・音楽などの文化活動とそうした文化に関する嗜好が、社会的出自と教育水準とに相関することを明らかにしている。 本研究は、このような視点を念頭におきつつ、現代日本の文化的状況を明らかにすることを目的とし、大学生(茶道修練者と一般学生との対照2グループ)ならびに茶道修練者を対象とした以下のようなアンケート調査を実施した。現在は、調査結果をもとに「茶道の位置づけ」を考量した現代日本の文化的価値序列の規定要因の分析とともに、男性文化、女性文化の構成プロセスや構成要素等の解析を行っている。 (1)調査期間 1995年12月 (2)調査方法 大学生(一般):集合調査法 茶道修練者(学生含む):配票ならびに郵送調査法を併用 (3)調査項目 文化的環境、教育水準(両親・配偶者含む)、余暇活動状況、文化資本状況、家元(組織)に対する認識やイメージ等に加え、茶道修練者に対しては加入動機や活動状況、満足度等に関する設問を行った。 (4)サンプル数と回収率 大学生(一般):421票配布のうち完全回収票数346票、82.2% 茶道修練者:(学生)254票/397票、64.0%(一般)309票/530票、58.3%
|