研究課題/領域番号 |
07710168
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
和気 純子 (財)東京都老人総合研究所, 社会福祉部門, 研究助手 (80239300)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 対処 / コーピング / 介護者 / ストレス / プログラム / 効果測定 / 負担感 / 痴呆性老人 |
研究概要 |
本研究では、介護者の介護バーンアウトを予防・軽減し、支援することを目的として、心理・社会・教育的視点から、介護者の有効な対処スタイルの形成を促すプログラムの開発を試みた。プログラムの開発にあたっては、文献検討およびヒアリング調査を実施し、わが国における既存の介護者支援のプログラムとして、1)ケース・マネジネント、2)介護者教室、3)介護者へのカウンセリング、4)家族の会、5)ショートステイなどが確認された。しかしながら、これらを体系的に取り入れた介護者支援プログラムは希有であり、その効果も科学的に検証されていないことが明らかとなった。筆者は、これらの結果をもとに、神奈川県下のS大学病院精神科デイケアの協力を得て、(1)から(8)のメニューからなる痴呆性老人介護者のための支援プログラムを実施した。(1)痴呆に関する医学教育、(2)痴呆性老人の介護教育、(3)介護用品の紹介、(4)痴呆性老人の栄養指導、(5)福祉サービスの情報提供、(6)家族会による介護者間の交流、(7)観察室からの痴呆性老人の行動観察、(8)家族カウンセリング。プログラム実施期間は4カ月、1グループ定員は8人である。 次に、プログラムの効果評価を実施するため、介入前・後の変化を測定する指標を開発し、効果評価を試みた。評価項目は、介護者の対処スタイル(問題解決型8項目、認知変容型4項目、回避情動型3項目)、負担感(31項目)、ソーシャルサポート(12項目)、うつ状態(20項目)である。有効ケース数は19である。変化の分析にあたっては、T検定を実施し、その有意差を分析した。この結果、問題解決型の対処スタイルにおいて、有意な変化がみられ、プログラムが介護者の問題解決対処をよりポジティブに変容させていることが示された。その他の指標では、負担感とうつ状態に関して、統計的な有意差は確認できなかったものの、負担感およびうつ状態の軽減傾向が示唆された。
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