研究課題/領域番号 |
07710186
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
廣里 恭史 名古屋大学, 大学院国際開発研究科, 助教授 (40262927)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | アジア諸国 / 政治経済学 / 教育開発政策 / 職業技術訓練教育 / 労働市場 / 政府と民間部門の役割 |
研究概要 |
本研究は、アジア諸国の教育開発において、政府の役割が変化し市場メカニズムを重視した需要サイドの民間部門を積極的に活用しよううとする傾向を背景に、労働市場ニーズと密接に関連する職業技術訓練教育における政府の役割と市場メカニズムのバランスを比較考察することを目的とした。そこで、1.日本及び韓国、台湾、シンガポール(先発国と新興工業国)、2.タイ、フィリピン、マレーシア、インドネシア(アセアン4諸国)、3.中国、ベトナム(社会主義市場経済国)、の三つの範疇に分類し、まず、教育開発過程における各国の政府介入、民間部門の役割、労働市場の特徴を明らかにすることに努め、次に、職業技術訓練教育政策をめぐる政府・民間部門の役割変化と労働市場メカニズムの関係を検討した。方法論的特色としては、従来の人的資本論をベースにした教育部門分析手法によって教育部門比較行うこと。そして、教育開発過程における政治的、法的、制度的、歴史的要因の影響を視野に入れた政治経済学的アプローチによって、異なる経済発展局面における職業技術訓練教育政策の時系列比較を行ない、前者との融合を試みることであった。その結果、政府介入の程度、民間部門の役割、労働市場の特徴から上記の三範疇は妥当な分類であり、マクロ経済指標でみる経済発展局面と職業技術訓練教育の普及度における正の相関関係と新興工業国からアセアン諸国、更に社会主義市場経済国へ及ぶ重層的な追跡過程を抽出することがきでた。更に、新たな形態として注目されている「技術開発基金」「二重システム」「技術学院方式」はシンガポールとアセアン4諸国に適応されているが、その定着度は、職業技術訓練教育へ対する社会的認知度や民間部門における内部労働市場の成熟度等の「社会的吸収能力」の程度によって差異が認められた。今後は、より体系的にアジア諸国の教育開発過程の構造と特質を解明し、アジア型の教育開発モデルと戦略を新たに導き出す研究へと発展させていくことを計画している。
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