聴覚障害者のテレ・コミュニケーション(遠隔通信)は、聴覚が障害されていることから、通常の電話によるものは困難である。そこで、聴覚障害者のテレ・コミュニケーション用の機器が開発され、その種類は数多くある。本研究では、聴覚障害者のテレ・コミュニケーションの現状を調べ、その活用のためのプログラムの構築を目的とした。その結果、以下のようなことが結論として出された。 〇テレ・コミュニケーション機器の選択及び活用は、各個人の聴覚の障害の程度によるものではなく、コミュニケーション手段(手話、補聴器、読話)によって決定される。 〇多くの聴覚障害者は、聴覚が障害されていることから、音声を増幅する聴覚障害者用電話を活用するだけでなく、FAX等の視覚的表示によるものを併用するもしくは使い分ける傾向がみられた。 〇さらに、FAX等の視覚的表示のものについては、通常の電話機のように、同時にお互いの通信が困難なことから、視覚的表示を用いたものについても同時に通信できる機器の開発を希望する傾向がみられた。 〇多種多様なテレ・コミュニケーション機器における聴覚障害者のための活用方法が明確でなく、これらの機器に関する情報が聴覚障害者に伝わってないことがみられ、テレ・コミュニケーション機器の活用方法について整理し、明確にすることが課題として出された。 これらのことに留意し、各個人のテレ・コミュニケーションの評価、機器の適用、機器活用の指導を中心に機器活用プログラムの構築を行った。
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