研究課題/領域番号 |
07710209
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 国立教育研究所 |
研究代表者 |
伊藤 彰浩 国立教育研究所, 教育政策研究部, 研究員 (60193471)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 大学 / 高等教育 / 高等教育政策 / 高等教育拡大 |
研究概要 |
本研究は、戦後高等教育の量的拡大が顕著に進行した1950年代末から70年前後に焦点を置き、それにかかわる政策の展開とその効果を明らかにすることを目的としたものである。そのために、(1)高等教育拡張政策に関連する資料の収集と整理をおこない、それに基づき(2)同時期の政策の展開過程を実際の量的拡張の推移と対比させながら考察した。 その結果、この時期の政策展開には2つの焦点があったことが明らかになった。そのひとつは1950年代末から60年代初頭にかけての「理工系拡充策」であり、もうひとつは60年代半ばから後半にかけての「大学進学者急増対策」-いわゆる第1次ベビ-ブーム世代の進学対策-である。しかし、それらの政策は当時の急激な量的拡大をダイレクトに引き起こしたわけではなかった。理工系拡充政策は、それ以前の高等教育の抑制ム-ドを転換させる効果をある程度もったといえるが、当時の量的拡大はそのほとんどがすでに非理工系分野において生じていたのである。 大学進学者急増対策に関しても同様だった。それは、この時期の拡大の大半を担った私立大にとって、ほとんど強制力をおよぼすものではなく、あえていえば急激な拡張を正当化する根拠となり、あるいは私学助成を拡充させるための交換条件となった。むしろ、量的拡大を可能にする政策的環境は、すでに1961年のいわゆる“池正勧告"による設置認可政策の変更によって用意されていた。そして、その“池正勧告"も、文部省にとっては突発的な事件であり、彼らの意図に沿ったものではなかった。要するに、当時の私学の急激な拡充をもたらしたのは、政府の施策というよりは、巨大なベビ-ブーム世代という顧客層の存在であり、さらには、大量の卒業生を驚くべき効率の良さで吸収していた高度成長期の日本経済だったのである。
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