研究課題/領域番号 |
07710236
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮崎 克則 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 助手 (80219758)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 民衆的世界 / 世直し一揆 / 長州戦争 / 打ちこわし / <あるべき権力像> |
研究概要 |
本研究は、明治維新前後における民衆的世界を明らかにすることを目的としており、本年は豊前小倉藩で起こった慶応2年の打ちこわしを対象に研究した。日本における慶応2年は、近世初期以来の国内戦-長州戦争-がおこり、米価をはじめ諸物価が暴騰し、全国各地で打ちこわしが起こった年である。これら民衆の動向は、「世直し一揆」或いは「世直し騒動」として把握されてきた。 これまでの民衆運動研究は、「世直し」のスローガンに託してその変革性に注目してきた。一揆・打ちこわしの民衆運動に、封建国家である幕藩制国家を否定して新たな国家構想・世界像の展開を期待しているのだが、現実にそうした展開はないから、運動への評価は低くならざるをえないジレンマを抱えていた。 本研究は、農村部を基盤とした打ちこわしに新しい国家像といったようなことは期待できず、民衆運動の政治性はもう少し違った形で把握しなければならないことを提唱する。つまり「治世厚天下」という<あるべき権力像>をつねに時の権力に突きつけていく運動として、小倉藩の打ちこわしをはじめ各地で発生した慶応2年の騒動を対象に検討して、一揆・打ちこわしの持つ政治性を位置づけた。
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