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北東イタリア・アルプス地域における移民行動の歴史研究

研究課題

研究課題/領域番号 07710257
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 西洋史
研究機関三重大学

研究代表者

北村 暁夫  三重大学, 教育学部, 助教授 (00186264)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード移民 / 家族戦略 / 社会的結合 / 北イタリア / アルプス / 移民連鎖
研究概要

まず移民統計から、ヴェーネト州においてイタリア統一直後の早い段階から移民が始まっていたのがベッル-ノ県やウ-ディネ県(当時)などの山間地域であることを確認した。次いで、ヤチ-ニ農業調査に基づいて、移民開始時期が早い山間地域では零細自作農民が多数を占めていたこと、彼らは家計補填の手段として伝統的に出稼ぎ労働を行なっていたこと、移民はその発展的な形態であることを明らかにした。こうした地域からの移民がドイツ、オーストリアなどへの季節労働的な性格を持っていたのは、そのためであった。これに対し、1880年代から1890年代にかけて見られたブラジルへの集団移民は、ロヴィーゴ県やヴェネツィア県など平野部の大土地所有の優勢な地域から多く生まれたことを明らかにした。こうした地域の農業労働者(ブラッチャンティ)たちは自営農民に上昇することを希求して、ブラジルの州政府による移民募集に応じたのであった。
次に、ヨーロッパ地域への季節労動的な移民と、ブラジルへの集団移民を比較しながら、移民の家族戦略と移民連鎖について見た。ヨーロッパへの季節移民の場合は、男性が単身で移民し、妻や年少の子供たちは郷里に残って耕作に従事することで、移動に伴うリスクと出費を軽減する。また、出身地と目的地の間には一定の対応関係が見られ、連鎖の中で移民が行われていることが明らかになった。これに対し、ブラジルへの集団移民の場合は世帯構成員全員による移民であり、移民資金獲得のために郷里における資産が売却される。また、募集による移民であるため、それ自体には連鎖が機能する余地がないが、ブラジルの内部で農村部から都市部への第二次移動が行われる場合には、連鎖が機能していることが明らかになった。なお、以上の指摘は既存の研究に基づくものであり、今後ヴェーネト州におけるフィールドワークを通じて、研究を深化させる必要があることを確認した。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 北村暁夫: "シチリアにおける移民とマフィア" ふびと. 48. 1-17 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 小谷汪之: "講座世界史4 資本主義は人をどう変えてきたか" 東京大学出版会, 414 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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