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近世・京焼風陶器の総合研究

研究課題

研究課題/領域番号 07710268
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 考古学(含先史学)
研究機関東京大学

研究代表者

堀内 秀樹  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (30173628)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード京焼風陶器 / 化学分析 / 消費遺跡
研究概要

今回の研究の大きなテーマとして、a.生産地の問題、b.刻印の問題、c.流通の問題、d.年代的問題の4点をあげたが、その解決の大きな手がかりとなる化学分析(胎土の成分分析)のデータが現在までに出そろっていないため、その詳細については言及できない。ただ中間結果から判断するかぎり、京都周辺と肥前の胎土の成分は明らかな相違をみせており、これまでの認識どおり、可視的な判断が妥当であることが実証された。また同じ窯業地間では年代差(同じ窯での)より窯差によるものが大きく表出されることがわかった。刻印は同じ銘款についても微細な相違があることが確認されたが、バリエーションが多く、また今回消費地のものについてのみ行なったため窯などの特定には至らなかった。江戸遺跡からの出土状況は1650年代には仁清風の京焼が出土する様になるが、その直後より、備前京焼風陶器が出土してくる。すなわち、京焼が市場に受容され、使用、消費される一方で直後それに極めて類似した肥前産の製品が、出土し肥前が、市場の需要に即応した形でコピー商品を市場に供給している様子が看取できる。そしてこの製品はおそらくブランド品として位置づけられた京焼の属性のうち胎土、釉、文様、刻印などを写しているが、碗類中心の器種の偏在、文様の画一、成形の簡略化などコストダウンをはかり、消費者の嗜好・需要にあわせ、京焼のコピー商品を大量に安価に供給したと思われる。江戸は大消費地であり、かつ、文化的な先進地域である側面を有する都市であり、今回あつかった例をとっても、その受容から消滅からも推測できるように流行・嗜好の変化は非常にアクティブである。時代の経済的な発展を論するにあたっては江戸は極めて重要なサンプルユニットであり、今後上記の様な視点より研究を進めていきたい。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書

URL: 

公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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