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アメリカ合衆国における「憲法上のプライバシーの権利」(自己決定権)の現状と課題

研究課題

研究課題/領域番号 07720011
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 公法学
研究機関愛知教育大学

研究代表者

小竹 聡  愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (20252299)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード憲法上のプライバシーの権利 / 自己決定権 / 生殖の自由 / 妊娠中絶
研究概要

本研究では、アメリカ合衆国において連邦憲法上に基礎づけられ、いわゆる自己決定権を意味するところの、「憲法上のプライバシーの権利」について、その根拠、内容及び限界を明らかにすることにより、当該権利の今日的意義と課題を総合的に探究する、という研究課題の一環として、とりわけ当該権利の現代的展開につき検討を行ってきた。その際、本研究では、当該権利が連邦最高裁判所の法創造にかかるものであって、連邦憲法上明文で保障された権利ではないという事情により、判例の背後にある個々の裁判官の動向に焦点を合わせた研究が不可避であること、当該権利の内容が、もっぱら避妊具の入手や使用、妊娠中絶の決定、猥襄物の私的所持、さらには性的自由等にかかわる点で、広くアメリカ社会のありようを考慮に入れる必要があること、等に留意してきたところである。こうした視点を持って、従来より当該権利の判例分析に重点を置いて研究を進めてきたところ、連邦最高裁判所は、1970年代後半以降、生殖事項を中心とする個人の自律の権利としての側面から、伝統的家族の保護を目的とする家族を主体とするプライバシーの側面へと、その保障の重点を移してきており、その結果として、当該権利の個人の自律としての側面を著しく制約してきていることが明らかにされてきた。本研究では、さらに、従来より憲法上のプライバシーの権利の内実の中心をなすものと考えられてきた、「女性の、妊娠を終了させるか否かの決定」権の保障につき、1980年代後半以降立ち現われたその「危機的状況」の現況を分析し、妊娠中絶決定権としてのプライバシー権の、「基本的権利」性が否定された以上、憲法上のプライバシーの権利について、当面、その発展を期待することはきわめて困難な状況にあることを明らかにし得たように思われる。今後の課題としては、このような憲法上のプライバシーの権利の閉塞状況の下での、学説のありようについて検討を加えることとしたい。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書

URL: 

公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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