研究課題/領域番号 |
07730035
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 名古屋学院大学 |
研究代表者 |
小井川 広志 名古屋学院大学, 経済学部, 助教授 (50247615)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 生産性・経済効率 / 投入産出構造 / 投入係数変化 / 利潤率 / 相対価格 / 産業関連分析 / 韓国経済建設5ヵ年計画 / インフラ建設 |
研究概要 |
本研究は、以下の2つの問題を取り上げている。第1に、経済開発によって引き起こされ「生産性」「経済効率」の変化が、その経済にどの様な影響を与えるかといった問題に関して、利潤率変化、相対価格変化から定量化する新手法を、産業関連分析を応用して構築する事である。第2に、その新しい計量モデルを応用して、インフラ建設がもたらす経済効率改善効果を、韓国経済を対象に具体的に定量化する点である。 本研究の主要な結論は、以下の通りであった。第1に、第7次経済建設5カ年計画が主目的とするインフラ建設の経済効率改善効果により、韓国経済の各部門では、平均的に約0.0089%の利潤率上昇効果を享受することが分かった。第2に、インフラ建設による生産性変化は、同時に相対価格変化も引き起こすのであるが、韓国経済の場合、相対価格の上昇する部門は、農業などの第1次産業に集中している。逆に、石油精製産業やサービス産業は、インフラ建設により著しく相対価格が下落する。相対価格の下落した部門は、他の条件が変わらなければ国際競争力を強めることからすると、相対価格が殆ど変化しない電子機器や繊維などの輸出産業は、経済建設の本来の目的に反して、インフラ建設が取り立てて輸出拡大促進的でないことが示唆される。第3に、その部門の生産性改善によって、韓国経済各部門の利潤率を引き上げる効果の最も大きい部門は、精米・製粉業や畜産など、主に農業部門が上位に顔を出す。このことにより、労働者の消費も含めて、未だ韓国経済にとっての農業部門の重要性が示唆されたと言える。 本研究のまとめでは、台湾経済との比較の上で、これらの事実が韓国経済の経済発展の特殊性に関連があるのでは、との問題提起を行っている。より一層の詳しい研究が望まれていると言えよう。
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