研究課題/領域番号 |
07730053
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
世利 洋介 久留米大学, 経済学部, 助教授 (40248349)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 政府間財政関係 / スイス自治体 / 自治体間財政調整 / 課税協調 / 目的連合 / 課税自主権 |
研究概要 |
1.スイス自治体の政府主体性については、カントン憲法において保障され、カントン毎の自治体制度で、その具体的な権限(特に財政上の権限)が明記されている。カントンは、連邦憲法上、残余権が保障されており、このことが自治体の行財政運営上のカントン間の差異となって反映してくる。実際に、カントンと自治体の間の関係を見ると、財政収入の配分、事務配分の在り方が、カントン間でかなり異なる。 2.スイス自治体の税制度は、基本的に、カントン税制度と結合され、付加税制度が採用されている(垂直的課税協調の実現)。しかし、自治体は、年間税率表を固有に決定することができる(課税自主権の保障)ため、自治体の選好を反映した経費構造を財政上保障することが用意であることが窺われる。 3.スイス自治体においては、統廃合が極めて限定的にしかみられない。これは、スイスが移民族、多宗教から成る「モザイク」国家であることの反映と考えられる。行財政運営上の規模の経済性の実現は、自治体の統廃合よりもむしろ、自治体間の目的連合によって図られてきたことがいくつかのカントンの事例から窺うことができる。 4.政府間財政移転を見ると、連邦政府からカントンに対する財政移転と並んで、カントンの自治体に対する財政移転の展開も認められる。これは、使途が特定されているカントン補助金を中心とした財政移転であり、これがカントン内での自治体間財政調整に寄与しているものと考えられる。この自治体間財政調整に関しては、カントン・チューリヒの事例を特に制度面に限定して検討してみた。
|