研究概要 |
種数が一般の代数曲線に関連したYang-Baxter方程式の解によって定まる,格子上の統計力学模型について,R行列の具体的なパラメータ付けとBethe仮説解の構成を行なうことが研究目標であった.本研究では,始めWiegmannらの用いた6 vertex typeのR行列から定まるL行列のパラメータ付けを理論的にいろいろ試みた.しかし,問題は簡単ではなく,この方向では成果は得られていない.また,数式処理ソフトウェアを用いていろいろなタイプのR行列に付随して定まるL行列の形を探った.これらはベキ級数の最初の数項の形で得られたもので,まだ整理していないが,今後の研究に役立つデータになる.この研究のデータの整理は続けていく予定である.このような数式処理を利用した研究の方向をさらに進めて,本研究のテーマとは少し離れるが,いわゆる「反射型」のYang-Baxter方程式の解を求める仕事にも着手した.これは境界のある量子スピン模型などと関連したL行列を調べることに対応している.こちらの方に今私の関心は移っているところである.
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