平成7年度科研費支給期間において、以下のことを解明した。 1)線形楕円型方程式の指定された数の零点を持つ解の一意性を示した。今までは、きつい条件での存在定理しかなかったものを、より緩い条件で存在と一意性を解明したものである。全域の場合のみならず、一般の線形境界値問題に関しても同様な、存在と一意性の結果を得ている。これは、松隈型方程式の指数を1に近づけた場合の解の挙動を決定するための大事な結果である。松隈型に関しては来年度以降の研究となってしまうが、その骨子はこの研究によって確立されている。 2)m-Laplace方程式の標準形を提案しその挙動・非振動の条件を見いだした。いままで、m-Laplace方程式は見通しの悪い扱われかたをしていたが、ここでは標準形を提起し、その標準形を議論することで新たな視点を与えたものである。とくに、非振動性に関する結果は今まで知られていなかったのであるが、それを解明し、その条件が十分応用に富むものであることを示した。これは、平均曲率方程式の場合への応用も考えられる結果である。 以上はそれぞれ、Hiroshima Mathematical JournalとTohoku Mathematical Journalに投稿済みである。
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