研究概要 |
非圧縮性2次元粘性流体(incompressible Navier-Stokes方式)の渦に対するCauchy問題を考える; w_t-v△w+(u,▽)w=0 in (t,x)【not a member of】(0,T)×R^2, w|_<t=0>=w_0 in x【not a member of】R^2. ただしu=u(t, x)は速度ベクトル場であり、w=w(t, x)=rotuはその渦である.この方程式を独立した方程式と考え(uを係数と思う),その基本解をГ_u=Г_u(t,x;s,y)としたとき(uに適当な微分可能性を仮定する),次の評価を得た. 係数uに√<t>・||u(t)||_<L∞(R^2)>【less than or equal】M for 0【less than or equal】t【less than or equal】Tを仮定する.更に,divu=0とす 0【less than or equal】 Г_u(t,x;s,y) 【less than or equal】 (C_1)/((t-s))e^<-(C_0(x-y)^2)/(|t-s|)>・・・(*) ただしC_0=some universal constant, C_1=C_0×e^<C_oM^2>である. この結果は,Giga-Miyakawa-Osada(Arch. Rat. Mech. Anal. 104, 1988,223-250)の結果をより良くしたものである.彼らの評価では,定数C_0,C_1はexplicitにMへの依存性が得られていない.この評価は,本質的にはNash, J.の放物型方程式に対する評価の方法を,いわゆるMoser iterationを使って証明した.具体的には,Fabes-Stroock(Arch. Rat. Mech. Anal. 96,1986,327-338)の証明の議論を先の方程式に適用したものである.さらにこの(*)を使って,初期過度w_0が、w_0【not a member of】L^2(R^2)を満たすとき,Navier-Stokes方程式の初期値問題の解の構成を行っていた.尚,この結果は、先のGiga-Miyakawa-Osadaの結果の別証明である. 尚,以上の研究は北海道大学理学部数学教室の修士課程の得能宅也氏との共同研究によるのである.
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