研究概要 |
非古典論理における,拡張されたKripke意味論の構造および強弱の妥当性について,新しい知見を得ることが出来た。まずcategoricalな概念や,構造上の性質を導入し,従来の意味論との対応を調べた。これにより,Delta演算と呼ばれるものとdisjunction property,existence propertyという特性との関係をクリプキ層(Kripke sheaf)を用いてsimpleに記述することができることが示された。これを応用して,これらの性質を持ち,さらに命題部分(propositional fragment)が直観主義論理と一致する論理からなる無限系列を具体的に構成した。この成果は,論文“A remark on the delta operation and the Kripke sheaf semantics in super-intuitionistic predicate logics"にまとめた(Bulletin of the Section of Logic 25(1996)に掲載決定)。また,幾つかの無限多重様相論理の統語論と意味論を調べ,それらの完全性定理と決定可能性に関する結果を得,論文にまとめた。(“Kripke frame with graded accessibility and fuzzy possible world semantics",Studia Logicaに掲載決定)これらの他に,fuzzy部分群の理論への応用としてfuzzy部分群の最小自乗法による近似に関する結果を得,論文にまとめた(“Optimal fuzzy objects for the set of given data-In the case of the group theory",蔵岡氏と共著,Information Sciencesに掲載決定)。この他に,研究集会および学会で,都合4回の口頭発表を行った。
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