研究概要 |
研究代表者は、Laplace方程式の境界値問題に対する代用電荷法(charge simulation methodあるいはfundamental solution method)の電荷点・標本点について、理論的正当性(収束性)の裏付けのある新しい配置法を既に提案済みである。これは領域の境界曲線のパラメーターづけに基づくもので、様々な領域(領域の写像関数が容易に求まらないような場合も含む)について適用可能であり、また等角写像の計算に高速フーリエ変換が利用出来るため効率が高く、実用性が大いに期待されるものである。これらの数学的な解析の結果は、若干の数値実験結果を添えて、今年度中に発行された岡本久氏と共著の論文(研究発表の項を参照)にまとめてある。 今年度は、この配置法に基づく代用電荷法の計算機プログラム(Fortran, C)の開発を進めた。個々の領域の境界の表現法には、方程式によるもの、パラメーターによるものなど、色々ありうるので、それらに対応するため、複数のインターフェイスを準備した汎用性の高いライブラリィを作成した。これは実験を効率的に遂行するのに役立ち、この配置法の有効性の実験的検証を大いに押し進めることが出来た。その結果、領域に凹みがある場合には、従来知られていた他の自動配置法よりも優れていることを、多くの実例で確かめることが出来た。作成したプログラム(csmpack)は、一般の目的に利用しやすい形に整理した上でInternetを通じて公開する予定である。
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