研究概要 |
本研究架台では、当初の計画に従ってジェット現象をみせる活動銀河核の観測的研究とX線偏光計を開発するための基礎実験を行なった。ジェット天体の観測は、電波ロープからのX線の検出によって新たな展開をみせつつある。また偏光計の開発実験は、新たに本年度に中間エネルギー帯の検出器として、アバランシェフォトダイオードを用いた検出器の試作を行なった。またマルチチャネルプレートの真空系と組合せた測定系の開発を行なった。 1.電波銀河Fornax Aの電波ロープからの逆コンプトンX線の検出について、論文を投稿、結果を公表した。逆にコンプトンX線の強度を測定することによって、ジェット終端の電子、磁場のエネルギー密度を実測する画期的な方法が現実のものとなった。(Kaneda,Tashiro et al., 1995, ApJL 453, L13) 2.「あすか」衛星を用いて電波銀河Centaurus Bの観測を行ない、その結果を解析、途中経過を秋季天文学会(R35a)および物理学会(YH-9)で報告した。これは第二の電波ロープからの逆コンプトンX線の検出例であり、現在、投稿論文を準備中である。 3.アバランシャフォトダイオードを用いた数keVから数+keVの帯域をもつ簡便なX線検出器を試作、ガス比例計数管なみのエネルギー分解能をもち、より安定に動作することを確認した。 4.マルチチャネルプレートをもちいた真空中のX線ビームライン系を製作。宇宙科学研究所のビームラインにとりつけ調整中である。
|