研究概要 |
本研究では超高エネルギー宇宙線の起源及びガンマ線点源の探索を種目的とした中国との共同研究「チベットAS-γ実験」のデータ解析を行った.特に超高エネルギーガンマ線(宇宙船)の広域的到来分布の吟味を目的として解析を行った. この「チベットAS-γ実験」は中国チベット高原(標高4300m)に有効面積約10,000m^2を持った空気シャワー粒子線検出器群を設置することにより,10^<13>eV領域の宇宙カンマ線の到来方向を1度以下の精度で検出することが可能である.本年度は予定通り実験感度を4倍程度向上させて40,000m^2の有効面積を得るまでになり,現在も観測データを定常的に蓄積している。 広域探査を行う上で第1ステップとして,局所的成分の寄与を吟味する必要あった.これらは主にパルサーや超新星残骸,もしくは活動銀河中心核からのガンマ線成分と考えられている. 現在までに我々の解析によれば,これらの天体からのガンマ線を到来を示すデータは出てきていない.超新星残骸の解析については一部まだ系統誤差を取り除くことが出来ていないがガンマ線到来を示す有為な統計ではない. 今後,系統誤差を詰めていき,広域到来分布(特に銀河面に沿った過剰の有無)を調べていく予定である.
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