星や太陽の画像を取り込んで画像パターンを認識することで、気球搭載観測器の方向制御系にフィードバックをかけて姿勢制御を行なうシステムを開発中である。気球搭載観測器としてBETS検出器(Balloon-borne Electron Telescope with Scintillating fibers)によって一次電子観測を行なっており、将来このシンチレーション・ファイバーの技術を利用したガンマ線検出器を開発して気球による観測を行なうことも考えられている。ガンマ線観測は南極周回気球を用いて行なう可能性もあり、この場合太陽の画像パターンによる姿勢制御が有力になる。気球の位置を測定するために購入したGPS受信機は非常に小型であり、方向制御のフィードバック信号を作り出すモジュール上に組み込むように設計中である。気球観測では回路は小型・省電力化する必要があるので、パターン認識ソフトウエアなどを書き込むROM(Read Only Memory)やPLD(Programable Logic Device)を駆使して回路を設計している。このROM、PLDにソフトウエアやヒューズパターンなどのデータを書き込むプログラマとそのデータを消去するためのイレーサを購入した。CCDカメラで取り込んだ画像中には数個の星が存在し、一つの星は数画素分になる。その数画素を一つの塊と認識し、パターンとして認識するソフトウエアを作成した。その画像パターンと星の実際のパターンから仰角、方位角のずれを計算するプログラムと方向制御のフィードバック信号を作り出すモジュールは、現在作成・設計中である。
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