研究概要 |
1.純良単結晶試料の作製 トリアーク炉チョクラルスキー法を用いてRGa_2(R=La,Pr,Gd)結晶の育成を行い、直径4mm長さ30mm程度の単結晶を得た。結晶に含まれる不純物ガスを取り除くために真空中でアニールを温度1000℃で300時間行ったのち、X線ラウエ法により結晶軸を決定し、放電ワイヤーカッターで無歪切断成形した。残留抵抗比が150程度の良い単結晶試料を得ることができるようになった。 2.非磁性高圧セルの開発 非磁性のベリリウム銅合金を主材料としたクランプ式ピストンシリンダー型高圧セルを製作した。強度が要求されるピストン部にはタングステンカーバイドを用いているが、バインダーとして磁性金属を含むため測定に影響する恐れがある。今後問題が生じれば必要に応じてセラミックス材料に変えることを考えている。現在、室温での加圧テストを行いながら信号線を取り出すための圧力シール部分について改良を加えている。 3.高圧下における電流磁気効果およびdHvA効果の測定 これまで常圧下で抵抗率、ホール効果の温度依存性およびdHvA効果を結晶軸方向による異方性も含めて測定した。また磁化の磁場および温度依存性の測定も行っている。今年度は特にGdGa_2を詳しく測定し、磁気転移温度やメタ磁性転移について明らかにした。測定装置系の整備も進めており、高圧セル用の金属デュワ-の試験と試料棒の設計・製作を行っている。今後、広い温度範囲にわたって抵抗率および磁場5Tまでのホール効果への圧力効果の測定を行う予定である。 4.研究成果のまとめ、報告 平成7年9月にインドのゴアで開催されたSCES'95(強相関電子系の国際会議)においてGdGa_2の磁性とdHvA効果について報告した。
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