研究課題/領域番号 |
07740295
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石田 憲二 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90243196)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | High-Tc / NMR / Bi_2Sr_2CaCu_2O_8 |
研究概要 |
酸化物高温超伝導のうちの一つBi_2Sr_2CaCu_2O_8(T_c=86K)の試料において超伝導状態の磁束状態をCuNMRの共鳴線を用いて調べた。酸化物超伝導体のうちBi_2Sr_2CACu_2O_8を用いたのは比較的良質の大きな単結晶が得やすいこと、またこの系では準2次元系を反映して20Kあたりに磁束状態の変化に伴う磁化の不可逆曲線(T_<irr>)が存在すること等が挙げられる。T_<irr>以上では磁束のピン止めが弱く磁束渦糸が自由に運動している液体状態になっており、それ以下では磁束渦糸は格子を組んでいる。従ってT_<irr>は磁束の相転移曲線と考えられている。 我々は銅のNMRの共鳴線にT_<irr>の上下で大きな変化があることを見いだした。T_<irr>以上では共鳴線はシャープであるのに対し、T_<irr>以下では磁場掃引共鳴線は急激に線幅が広がった。これに対し外部磁場を固定した周波数掃引共鳴線ではT_<irr>上下で大きな変化は見られなかった。この実験結果は磁場掃引共鳴線の幅の広がりは、磁束が強くピニングされたため試料内部の磁場が外部磁場の変化についていけなかったために生じたものと考えられる。また磁場掃引共鳴線には異方性が見られCuO_2面に垂直に磁場をかけたときは広く、平行にかけたときは広がりは小さい。CuO_2面にZnをドープした試料ではT_<irr>には大きな変化が見られなかったが、共鳴線の幅の広がりはドープしていない試料に比べて小さかった。 現在までの銅の共鳴線を用いた磁束状態の観測では、他の実験と矛盾のない結果が得られている。今後不純物による影響や、磁束の液体状態での磁束の運動による共鳴線の先鋭化等の測定を行う予定である。
|