研究課題/領域番号 |
07740298
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
成清 修 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (60252631)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 強相関電子系 / 金属絶縁体転移 / 異常金属相 / 高温超伝導 / フェルミ流体 / 遍歴局在双対性 / スピンゆらぎ / 電荷ゆらぎ |
研究概要 |
フェルミ流体論を金属絶縁体転移近傍の異常金属相に拡張することを目指した理論的研究を、銅酸化物高温超伝導体を含む遷移金属酸化物を対象として行った。ここでの金属絶縁体転移が、従来主張されているような、局所相関が重要な(狭義の)モット転移ではなく、非局所的な反強磁性相関が重要な、異なるクラスの金属絶縁体転移であることを明らかにした。 1.バナジウム酸化物の金属絶縁体転移 バナジウム酸化物(V_2O_3)の金属絶縁体転移は、従来典型的なモット転移であると考えられていたが、近年の実験は、銅酸化物高温超伝導体の常伝導相に類似の、「スピン電荷分離」や「スピンギャップ」とよばれる異常を示している。我々は遍歴-局在双対性に基づいたネストしたスピンゆらぎの理論によって、2次元物質である銅酸化物の異常を解明してきたが、これを3次元物質であるバナジウム酸化物に拡張することによって、その異常を説明した。これらの異常は2次元に特有のものと思われていたが、ネストしたスピンゆらぎの理論では、次元性は重要ではなく、3次元でも異常があらわれることを明らかにした。また、これらの異常は、我々の理論では中間結合領域に特有のものなので、バナジウム酸化物および銅酸化物高温超伝導体は、従来言われているような強結合ではなく中間結合の物質であると結論した。 インコヒーレントなスペクトルの効果 金属絶縁体転移の近傍では、フェルミ流体論では主役の遍歴的な準粒子よりも局在スピンによるインコヒーレントなスペクトルのウエイトが大きくなっている。我々の遍歴-局在双対性理論は、この2つの自由度を考慮しているが、フェルミ流体論では前者しか考慮していない。この意味で、遍歴-局在双対性理論はフェルミ流体論の自然な拡張になっており、従来非フェルミ流体とかマージナルなフェルミ流体とよばれていた現象も、遍歴-局在双対性理論の枠組みで理解できることを明らかにした。
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