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複雑な系の量子力学とランダム行列

研究課題

研究課題/領域番号 07740356
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 物理学一般
研究機関大阪大学

研究代表者

永尾 太郎  大阪大学, 理学部, 助手 (10263196)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードランダム行列 / メソスコピック系 / 2次元電子系 / 超格子
研究概要

ランダム行列アンサンブルの固有値分布の局所ゆらぎの普遍性は、固有値分布の端では破れ、パラメータ依存性をもつ。固有値密度が十分滑らかに変化することが、普遍性の前提になっているようである。しかし、一方で分布端での固有値分布の局所ゆらぎには、1パラメータ依存性のある弱い普遍性が存在する。このような弱い普遍性が、分布端だけでなく固有値分布の特異性の周辺にも存在することを示した。この発見は、準位密度に特異性をもつ複雑な量子系のエネルギー準位統計を理解する上で、重要な意味をもつと思われる。
複雑な位相動力学をもつ古典系に対応する量子系が、近年興味を持たれている。微小構造を製作する技術の発展によって、このような量子系に対する実験が可能になってきたことが理由の一つに挙げられる。格子定数が1マイクロメートル程度の超格子構造をもつ2次元電子系には、磁気抵抗に特徴的な振動構造がみられることが実験によって知られている。この振動構造は、従来ポテンシャルの山を囲む電子の局在した安定周期軌道が原因となっているとされてきた。しかし、この考え方は、ポテンシャル配置を異方的にした実験における磁気抵抗の変化を説明することができない。異方的なポテンシャルをもつ系に対する非線形動力学の数値シミュレーションを行うことによって、振動構造の主要なピークが局在軌道ではなく、カオス的な拡散軌道によって生じることを明らかにした。このように考え方を変化させることにより、ポテンシャル配置を変化させたときの実験結果の主要な特徴の原因が、容易に理解できるようになった。また、安定周期軌道と不安定なカオス軌道の混在する系に対する解析の成功例として、理論的な観点からも興味深いと思われる。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Taro Nagao: "Universal Correlations Near a Singularity of Random Matrix Spectrum" Joumal of the Physical Society of Japan. 64. 3675-3681 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Taro Nagao: "Effect of Anisotropy on Magnetotransport through Antidot Lattices" Journal of the Physical Society of Japan. 64. 4097-4100 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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