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遺伝的変異に伴う糸状菌のフラクタルコロニーパターンの戦略性の転化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07740360
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 物理学一般
研究機関東海大学

研究代表者

松浦 執  東海大学, 開発工学部, 講師 (70238955)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワードコウジカビ / コロニー成長 / パターン形成 / 成長戦略 / 遺伝的変異 / 形態変化 / コロニーモデル / 相図
研究概要

本研究の目的は糸状菌のコロニーパターン成長の戦略性に、菌株の遺伝的変異がもたらす影響を明らかにすることである。コウジカビ類のうち標準的菌種としてAspergillus oryzaeの野生株を用い、これと比較対照するためにA. nidulansの野生株と変異株とを用いて、培地の栄養濃度と硬度とを変量としてコロニーパターン形成の比較研究を行った。
まず共通性質として、培地の低栄養化と軟化に従い、安定な高菌糸密度・コンパクト形態から、不安定な断裂・樹状形態への変化が確認された。コロニーの断裂化は、非好適条件の培地上で、一定の菌糸系均質成長期間後に、栄養吸収と代謝産物の蓄積による基質劣化が引き金となって、均質系中から発生した優勢な菌糸系と劣勢菌糸系との競合が表出したものと理解された。このような潜在的形態転換能は下述の変異株でも保存されており、基本的な菌糸系のエネルギー再配分様式の転換として捉えられることが推測された。
A. nidulansではペプトン培地を用いてコロニーパターン相図を作成した。パターンはコロニーが断裂・樹状化しながら拡大する複雑型と、空間開拓を優先しない緻密均質型とに2大別された。成長様式からはslow denseとfast effuseタイプに2大別され、高栄養と極低栄養では前者が優越して小さく緻密な形態を示す。やや阻害的条件で後者の様式が優越し、優勢系のfast effuse成長による空間開拓的で不安定な複雑パターンが出現する。緻密均質型では高栄養価条件以外ではslow dense様式が優越する。遺伝的変異によりパターンの特異な戦略性を獲得したり失したりするのではなく、むしろ変異株では上2種の成長様式を配合した潜在的な戦略的成長が、環境変化に伴い明瞭・敏感に表出されることが結論された。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] S. Matsuura and S. Miyazima: "Leading Front of Aspergillus oryzae Colony Growing on D_2O Medium" The Journal of Deuterium Science. Vol. 5, No. 1(印刷中). (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] S. Miyazima and S. Matsuura: "Self-Similarity and Self-Affinity in Fungus Colony" MRS (Material Research Society) (1995 fall meeting). (印刷中). (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 松浦 執: "コウジカビコロニーの成長過程における秩序性と複雑性の出現" 東海大学開発工学部紀要1995. 第5号(印刷中). (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] S. Matsuura and S. Miyazima: "Production of Aerial Hyphae in the Colony of Aspergillus oryzae on D_2 Media" The Journal of Deuterium Science. Vol. 4, No. 2. 26-34 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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