研究課題/領域番号 |
07740389
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
平沢 尚彦 国立極地研究所, 情報科学センター, 助手 (10270422)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 南極 / OLR / 極うず / カタバ風 / 極冠高気圧 / 極ジェット / ブロッキング |
研究概要 |
本研究では、冬季の南極域のOLR分布が、これまで指摘されてきた極ジェットをはじめとする南半球の大規模大気循環場の季節内変動によく対応して変化していることを指摘し、そのメカニズムについて検討した。 低OLR期には南極氷床の等高度線に沿ってOLRのコントラストが明瞭で、陵線に沿って最低OLR域が形成される。この時、60°Sでジェットが強く、極渦は深い。一方、高OLR期には内陸のOLRのコントラストは不明瞭となる。この時、60°Sのジェットは弱く、大陸上の対流圏下層では極冠高気圧が明瞭である。極冠高気圧の発達する高OLR期にカタバ風が強く、少なくとも南極大陸上空の対流圏下層では補償的な下降流があって断熱過熱の蛍光を強めると考えられる。しかしながら、モデル計算からは、下降流による断熱過熱が引き起こすと考えられる下層大気の昇温だけではOLRの変化を説明できないことが示された。 一方、みずほ基地とVostok基地の地上観測による雲量の時系列は、下降流が比較的に卓越し、大気循環場としては雲生成を抑制しそうな高OLR期に雲量が多くなることを示している。OLRを大きくするためには射出率の大きな雲の様な物質が高い温度を持つことが効果的である。広い領域で、接地層の放射冷却で雲(霧)が生成され、その層が気温の高いところまで達すればOLRの大きな状態を作り出すことがモデル計算からも確認された。 極冠高気圧の発達の発端が、ブロッキングの発生である場合が見られた。その発達の過程で顕著になる低緯度側から大陸内陸への大気の流れが水蒸気を運び、その後の放射冷却で雲(霧)が生成された可能性が考えられる。
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