研究概要 |
地質構造の推定理論を組み込んだシステムを構築するコンピュータとしてパーソナルコンピュータ(以下,PC)とし,一般的な環境で使える環境を目指して研究を行った.これまでの地質構造の推定などに用いられるコンピュータはOSとしてUNIXを用いたワークテーション(以下,WS)であったが,現在一般に用いられるのはWindows環境のPCである.まず,PCにおいてUNIXを使える環境を整備した.その環境で試作システムのPCへの移行を行った.利用環境が広がり,システムの普及が望める. システムの基礎理論は地質構造の数学的表現したものであるが,整合・不整合といった数式表現方法から,さらに発展させ,堆積・浸食モデルを数式表現した理論をアルゴリズムとして解析した.PC上で試作システムのアルゴリズムに改良した理論を組み込み,システムを強化することができた. 次に,Windows環境において,地形データの3次元表示の研究を行った.一般に使われる格子データや国土地理院が発行する数値地図を元データとする3次元地形図表現ソフトTERRAMODをプログラム言語Visual Basicで組んだ.表現方法は,コンター線図,カラーコンター図,陰影画像(白黒,カラー)などであり,操作方法はグラフィカルに示され,利用しやすく,教育の現場でも活用されることが望まれる. 総合的な研究として,地質図作成システムに地形図の格子データおよびデジタル地質図を用いて地質図の復元を行った.今後,露頭データベースなどデータ供給源が整備されていけば,以上にあげた機能をすべて兼ね備えた統合システムが構築される可能性がでてきた。
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