研究課題/領域番号 |
07740433
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地球化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 勝彦 東京大学, 教養学部, 助手 (70251329)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | オスミウム / 陰イオン質量分析 / 超微量分析 / 熱水変質 / 海水 |
研究概要 |
超微量オスミウムの同位体の測定を可能にするために様々な工夫を繰り返した。その結果、天然試料中の超微量オスミウムの測定のための分析手順の開発(ソフト)はほぼ終わりつつある。予備実験において岩石試料の場合は8割近いオスミウムの回収が可能になり、いよいよ天然の試料に取りかかれる段階になった。海水中のオスミウムの分析には分離法のさらなる改良が必要であるが、今回の方法の開発に使ったノウハウを利用すれば、夢ではなくなりつつある。また装置での測定(ハード)に関しても大きな進展があった。今回陰イオン質量分析計で100pg(ピコグラム;10^<-12>グラム)のオスミウムの同位体比を測定した。通常質量分析計でストロンチウムなどの元素の同位体を分析をする場合、1μg(マイクログラム;10^<-6>グラム)が必要であることから考えれば、今回成功したオスミウムの同位体分析がいかに低濃度で行われたかということがわかる。さて分析方法を検討する過程で、オスミウムの分析をする際に問題となりうる点をいくつか見出した。中でも岩石中のオスミウムを分析する際の注意点として、その岩石生成後の熱水変質などでオスミウムが移動しうるということを実験的に示したことが、大きな成果として挙げられる。この事実は、得られたデータを解釈する上で軽視してはならない非常に重要な問題として位置づけられる。それを公表した論文(裏に示す)の海外での評価は概して高い。今後の展望としては、開発したオスミウムの分析法を利用して、今回手を着けるところまで達しなかった天然試料の分析に取りかかる。海水の分析法の検討も課題である。現在鉄共沈、イオン交換樹脂による分離の他にマンガンファイバーを用いたオスミウムの吸着回収を検討している。また、国内においてオスミウム分析を試みているグループはかなり苦労しており、今回のノウハウを公表して情報の交換を進め、共同して開発を進めていく予定である。
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