研究課題/領域番号 |
07740436
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地球化学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三村 耕一 名古屋大学, 理学部, 助手 (80262848)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 衝撃波 / ヘキサン / 衝撃合成 / 衝撃圧力 / 衝撃温度 |
研究概要 |
宇宙空間で普遍的な存在と考えられるヘキサンと衝撃波の相互作用を明らかにするため、ヘキサンを封入した容器に弾丸を衝突させ、ヘキサンに衝撃波を作用させた。この結果、以下の4点が明らかになった。1.6未満の炭素数を持つ有機物(分解物)と、6より多い炭素数を持つ有機物(合成物)が生成、2、生成物収量は弾丸速度に対し指数関数的に増加、3、生成物収量は衝撃波の作用時間に比例して増加、4、衝撃波を作用させる際のヘキサンの温度(初期温度)により生成物収量は変化。結果1、2は出発物質にベンゼンを用いた際と同様である。結果3は弾丸の長さを変化させて実験した結果である。弾丸長さを10、20、40mmと変化させると、得られる衝撃波作用時間は約3.5、7.0、14usで、これらの比は1:2:4となる。このときそれぞれの生成物収量比は同じ弾丸速度において1:2:4となる。さらにそれらの生成物組成は変化しないことから、本実験は低い生成物収量(u mol/molヘキサン)のため、この反応にとって衝撃発生温度、圧力とその作用時間が重要な因子であるといえる。結果4は衝撃波を作用させる際のヘキサンの初期温度を298、273、200Kと変化させて得られたものであるが、同じ弾丸速度において生成物収量は初期温度が低いほど多くなる。この初期温度の違いは衝撃圧力及び衝撃温度の違いを生じ、初期温度が低いほど衝撃圧力は大きくなり反対に衝撃温度は低くなる。もしこれらの違いのみが生成物収量を変化させているなら、衝撃合成において温度効果より圧力効果が重要であることになる。現段階では結果4を明確に説明することはできないが、以上の結果、特に結果4について緻密な考察をすることにより、衝撃合成は有機合成分野において重要なテーマになり得る。
|