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沿岸から外洋への粒状有機炭素の輸送過程-△^<14>Cとσ^<13>Cによる2次元マッピング

研究課題

研究課題/領域番号 07740438
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 地球化学
研究機関名古屋大学

研究代表者

中塚 武  名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助手 (60242880)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード炭素安定同位体比 / 窒素安定同位体比 / 放射性炭素 / 沈降粒子 / 懸濁粒子 / 堆積物 / 加速器質量分析計 / 海溝
研究概要

日本海溝を横切る側線上において、セジメントトラップによる沈降粒子、マルチプルコアラーによる堆積物、および深海現場濾過器による懸濁粒子の、有機炭素安定(δ^<13>C)・放射性(△^<14>C)同位体比および、全窒素安定同位体比(δ^<15>N)を測定した。従来の研究結果同様、沈降・懸濁粒子有機炭素のδ^<13>C、△^<14>C値は、海溝内で、共に表層の植物プランクトンの値と比べて、極めて低い値を取ったが、その分布は、従来の「△^<14>C-δ^<13>Cの2次元マップ上での直線性」を示さず、「δ^<13>C、△^<14>C値が、共に極めて低い成分」の存在を支持するものとはならず、海溝内の粒状有機物における「低いδ^<13>C値と△^<14>C値」の原因が、それぞれ別のものである可能性を示唆した。また、海溝最深部で採取された表層堆積物では、△^<14>C値は実際に低い値を取ったが、そのδ^<13>C値は、むしろ表層の植物プランクトンと同様、もしくはより高い値を示した。このことは、第一に、海溝内部における粒状有機物の「低い△^<14>C値」の原因が、堆積物の巻き上がりである一方で、その「低いδ^<13>C値」の原因は、沈降・堆積過程での生物、化学的な「同位体分別」を反映したものである可能性を示唆した。こうした沈降・堆積過程でのδ^<13>Cとδ^<15>N値の変化の意味を純粋に考えるため、△^<14>Cデータを用いて堆積物からの再懸濁成分の混入の影響を排除して、表層水から直接沈降してくる粒子のδ^<13>C、δ^<15>N値だけを計算したところ、海溝の内外で同一のδ^<13>C、δ^<15>N値の鉛直変化パターンが得られた。この「δ^<13>C、δ^<15>N値共に、沈降途中では減少し、堆積物表層では増大する」という傾向は、食物連鎖での同位体分別メカニズムと一致し、沈降途中では栄養段階の高い生物起源の粒子が優先的に分解・消失し、堆積物表層ではベントスなどの働きにより、再び栄養段階の高い生物の寄与が大きくなるという、有機物の鉛直循環に対する新たなメカニズムを示唆する。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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