研究課題/領域番号 |
07740482
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊東 俊司 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10213042)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 非ベンゼン系芳香族化学 / π電子系化合物 / アズレン / カルボカチオン / チオカルボニル化合物 / スルフィン極性転換 / 配座異性機構 / 多段階酸化還元系 |
研究概要 |
カルボカチオン類を初め不安定化学種の安定化とその基本的性質の解明の目的に、基本ユニットとして分極の効果が相当程度に大きいアズレン環を用いることに着目した。カルボカチオン類に関してはアズレン環による安定化の様相が既に明らかにされていることから、この化学種のさらなる安定化と特異的性質の解明に関する検討を中心に、C=S二重結合を初め、C=S=Oヘテロクムレン等のアズレン環による安定化と分極構造の極性転換に関する検討を行った。その結果、アズレン環により大きく安定化を受けたカルボカチオン類は、電子的な高い安定化が期待できるジメチルアミノ基やメトキシ基を導入することによりさらに高い安定化を受けることが明らかとなった。また、ヒドロキシフェニル基を導入することにより、大きく分極したキノメタン類の生成とその性質の解明に成功した。また、この様にして生成した超安定化カルボカチオン類は単に高い安定性を示すのみならず、安定化に伴いカチオンの還元とアズレン環の酸化とを同時に示す特異な酸化還元的挙動を示す、両性多段階酸化還元系としての性質を合わせ持つことを明らかにした。さらに、アズレン環とナフタレン環とを組み合わせることにより、得られたカルボカチオン類の配座異性機構が、これまで定説となっていた分子プロペラの配座異性機構(two-ring flip機構)に対して、全く新たなone-ring flip機構を取る確証を得ることに成功した。また、この様な分極の効果が大きいアズレン環を用い、チオアルデヒド類等の安定化に成功し化学的反応性を明らかにした。同時にC=S=Oヘテロクムレン類の電子供与性π電子系による極性変換等、特異物性の発現に成功した。
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