研究課題/領域番号 |
07740528
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
田所 誠 大阪市立大学, 理学部, 助手 (60249951)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 金属錯体 / 水素結合 / ビイミダゾール / 超分子 / 自己集積 / クリスタルエンジニアリング / マイクロポーラスクリスタル / キラリティー |
研究概要 |
本研究は遷移金属イオンの配位構造と2点分子間水素結合を使って結晶中での錯体分子の配列を制御して目的とする結晶構造を構築し機能物性発現を目指すものである。遷移金属イオンの配位構造と相補的な分子間水素結合を結合する配位子として新たにビイミダゾールの1つプロトンの解離したものを見出し、その配位子を含む遷移金属錯体がNH-N型の相補的な2点分子間水素結合をすることをX線構造解析により初めて証明することに成功した。この錯体合成によりその相補的な分子間水素結合形成する条件を明らかにした。その条件は錯体分子がカウンターイオンを含まない中性型の遷移金属錯体であるかあるいは水素結合力の弱いカウンターイオンを用いてその錯体合成を行えばこの分子間水素結合を形成できることである。この知見により特に金属イオンとして扱いやすいNi(II)イオンを中心として錯体合成研究を行った。ビイミダゾール配位子を2つ含むシス型あるいはトランス型のNi(II)錯体がその自己集積によりシステマティックに分子間水素結合の一次元鎖を持つことを明らかにした。さらに、このビイミダゾール配位子を3つ持つNi(II)錯体は全体でマイナス1価の電荷を持つことから結晶化の際にカウンターカチオンを伴うため種々のカチオンによりビイミダゾール間の分子間水素結合鎖構造が劇的に変化することが分かった。例えばテトラエチルアンモニウムカチオンを用いた場合にはフリーのビイミダゾール配位子とトリスビイミダゾレートNi(II)錯体の光学異性体のΔとΛによって約20Åのリングを持つシート構造から形成する2重に絡み合ったポリカ-テネート構造を形成することを明らかにした。
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