研究課題/領域番号 |
07740538
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岩崎 賢太郎 千葉大学, 工学部, 助手 (00251182)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | フラーレン / 電子構造 / アルカリ金属錯体 / 高次フラーレン / 金属フラーレン |
研究概要 |
1.本研究専用の真空昇華ラインを設置することにより、これまでと同じ時間で、原料フラーレンの純度と量を増加させることが可能となった。また、アジ化アルカリ金属の熱分解反応を行うための電気炉を新たに製作した。、これらにより、錯体合成回数(実験試行回数)を増加することができた。 2.当初、錯体合成に仕込むアジ化アルカリ金属とフラーレンの量さえ正確に制御すれば、合成される錯体中の、フラーレンとアルカリ金属の存在比は化学量論的に明確なものになると期待していたが、アジ化アルカリ金属の熱分解反応の条件-主として反応温度および反応時間-を変化させることにより、得られる錯体中のフラーレンとアルカリ金属の化学量論比が大きく変化することが判明した。さらに、反応条件を丁寧に制御しないと、試料全体に均一な化学組成とならないことも判明した。 3.粉末X線回折の測定結果は、他の合成方法によって得られたフラーレンとアルカリ金属との化学量論比が明確な錯体の結果と同質のものであった。つまり、本研究で採用した、アジ化アルカリ金属の熱分解による錯体合成方法が、効率よくアルカリ金属の存在比の明確な錯体を得る方法として有効であることも判明した。15EA04:4.紫外光電子スペクトルの測定結果より、錯体中のフラーレンとアルカリ金属の化学量論比によって、錯体の電子構造が如実に変化することが判明した。具体的には、アルカリ金属の存在比によって、最高被占準位がめまぐるしく変動し、錯体の電気伝導度をはじめとする電子的性質を反映するものであることが判明した。15EA05:5.C60以外のフラーレンについて、本研究で用いた方法により、化学量論的にアルカリ金属の存在比が明確な錯体を合成し、それらの電子構造について研究中であり、今後はこれを継続する計画である。
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