研究課題/領域番号 |
07740544
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大塚 晃弘 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90233171)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | フラーレン / 超伝導 / アルカリドープ / 単結晶 / 電荷移動錯体 / イオン性 / 結晶構造 |
研究概要 |
新規なC_<60>系超伝導体であるアルカリドープOMTTF・C_<60>・PhHに関して得られた知見を中心に述べる。 1 作製と物性測定:グローブボックスとガラス製高真空ラインを用いて、K、RbをC_<60>と共に石英管に挿入・封入する作業を厳密かつ効率的に行なった。超伝導発現の確認はLFMA、SQUIDなど磁気測定で行ない、シールディングdc磁化の値から10%程度の体積分率を示すバルクの超伝導体であることがわかった(T_cはKで17-18.8K、Rbで23-26K)。ガラス製真空セルとコンピュータ制御式抵抗測定機器を用いて、ド-ピング過程中における抵抗変化を調べる試みは、結晶へ端子装着が困難なため現在までのところ成功しておらず、作業方法を工夫するなどして、ここに述べないその他のドナーによる新規イオン性錯体作製と共に、引き続き検討する計画である。 2 組成:K_x・OMTTF・C_<60>・PhHに関して、LFMA及びSQUID測定にて超伝導を確認した試料について、EPMA/SEMによる組成分析・表面観察を行なった。中性錯体に対するKの含量xがx≦1.8であったことから、K_3C_<60>の生成による超伝導ではないことが支持された。また、個々の結晶表面の荒れ具合にバラツキが見られたことから、Kの含量は結晶ごとに、また、個々の結晶内においても場所ごとに、分布を持つことが示された。 3 結晶構造:K_x・OMTTF・C_<60>・PhHおよびRb_x・OMTTF・C_<60>・PhHに関して、単結晶四軸X線回折による構造解析を行なった。Rbドープの試料については酸素・水分を除去したグローブボックス内でX線用キャピラリーに封入し、結晶劣化を抑えて測定した。K、Rbどちらの場合も基本的な構成成分分子の充填様式はドープ前の結晶から変化は認められなかったが、Kドープでは単位格子体積の膨張および次元性の低下が見られた。体積の増分からKの平均含量を見積もるとx=0.6程度であった。
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