研究課題/領域番号 |
07740575
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宗林 由樹 京都大学, 化学研究所, 助手 (50197000)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 有機配位子 / 分析化学 / ポリピラゾリルボレイト / 金属錯体 / X-線構造解析 / 溶媒抽出 / スピン状態 / イオン認識 |
研究概要 |
本研究は、従来とは異なる立体的因子によって金属イオンを認識する新奇な有機配位子を創製し、その分離機能を溶液反応と結晶構造および化学計算の解析によって明らかにし、さらに配位子の特異な立体構造が分離機能以外の錯体物性におよぼす影響を評価することを目的とした。 (1)ポリピラゾリルボレイトの分離機能 ポリピラゾリルボレイトは四面体型のホウ素原子にピラゾール環が2〜4個結合した負1価の窒素配位子であり、2座または3配位子として働く。この配位子は、ホウ素原子またはピラゾール環上の置換基を様々に変えることができ、種々の立体的因子、電子的因子を通して錯生成反応に影響をおよぼし、その分離機能を制御しうる。我々は、ピラゾール環の3位に置換基を有するビスピラゾリルボレイトがIrving-Williams系列に従わない特異な金属イオン選択性を示すことを見出した。コバルトおよびニツケル錯体のX-線構造解析などにもとづき、配位子間立体反発が特異な選択性の原因であることを明らかにした。 (2)ポリピラゾリルボレイト錯体の物性 ポリピラゾリルボレイトのFe(II)錯体は、置換基によってスピン状態がまったく異なる。錯体のX-線構造解析を通して、スピン状態が配位子内および配位子間立体反発によって支配されていることから明をにした。これにより、錯体の安定性と電子状態が同じ立体効果によって制御されうることがわかった。 (3)新しい有機配位子の設計、合成、評価 (1)で得た知見を基礎として、新しい分離機能をもつ配位子の創製を検討したが、有効な配位子の創製にはいたらなかった。
|