研究課題/領域番号 |
07740612
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
園池 公毅 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30226716)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 光合成 / 光阻害 / 低温傷害 / 光化学系I / 活性酸素 / ストレス / 温度感受性 / キュウリ |
研究概要 |
光エネルギーは植物の光合成反応の原動力であるが、過剰な光は逆に光合成反応を阻害する。この光合成の光阻害は低温、高温、乾燥などの光以外のストレス条件下で助長される。光阻害の部位としては光合成の2つの光化学系の内、従来系IIであると信じられていたが、申請者らの最近の研究の結果、低温感受性植物であるキュウリ生葉の低温における光阻害では、系Iが選択的に阻害されることがわかった。またこの阻害には酸素の存在が必須であり、阻害への活性酸素の関与が示唆されている。本研究では、この新しく発見された系Iの光阻害がどのようなメカニズムによって引き起こされるかを、低温と活性酸素という2つの要因に絞って解明した。材料としては、すでに生葉で光化学系Iが阻害されることが確かめられているキュウリおよびインゲンマメを用いた。これらはどちらも低温感受性植物であることが知られている。また、チラコイド膜を用いての実験では、予備実験で7割以上の阻害率がみられているホウレンソウのチラコイド膜を主に用いた。まず、生葉での系I光阻害の条件を詳細に検討した。生葉での光阻害に必要な3つの条件(低温、光、酸素)を検討した結果、低温と光とは相補的には働かないことがわかった。このことは低温光阻害が明反応と暗反応のバランスの温度による変化によって引き起こされることの仮説を否定する。これは植物体の生育時の光環境を変化させたときの光阻害耐性の変化を調べた結果によっても支持された。さらに、チラコイド膜レベルでの光阻害処理時に、各種の活性酸素消去剤を添加しその効果を調べた結果、阻害に関与する活性酸素種としてハイドロキシルラジカルが推察された。
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