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分子生物学的手法によるクロロフィル生合成の解析

研究課題

研究課題/領域番号 07740617
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 植物生理
研究機関大阪大学

研究代表者

藤田 祐一  大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (80222264)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードクロロフィル生合成 / プロトクロロフィリド還元酵素 / por遺伝子 / ラン藻 / Plectonema boryanum
研究概要

被子植物は、暗所でクロロフィル(Chl)を合成することができず黄化してしまう。これは、これらの植物が、Chlの合成の一過程プロトクロロフィリド(Pchlide)還元に、反応自体に光を要求するNADPH:Pchlide還元酵素(POR)のみを用いているからである。PORは、真核性の光合成生物に限って分布すると考えられていたが、ラン藻でChlの合成が光に依存する変異株が単離されたことから、原核生物であるラン藻もPORを有していることが示唆された。そこで今回私たちは、光に依存しないPchlide還元酵素の遺伝子chlLNBが同定されているラン藻Plectonema boryanumからPORをコードする遺伝子porのクローニングを試みた。6種類の植物のPORで完全に保存されたアミノ酸配列に対応するプライマーを11種類合成し、すべての組み合わせでPCRを行った。その結果、2つの組み合わせでのみ予想される長さの断片の増幅を確認することができた。こうして得られた0.3kbの断片をプローブとしてP.boryanumのゲノムライブラリーをスクリーニングし、陽性λクローンから2.0-kbのEcoRI断片をクローニングした。この断片の塩基配列を決定したところ、334個のアミノ酸残基をコードするORF(ORF334)を見出した。ORF334のアミノ酸配列は、種々の植物のPORの成熟体部分と52〜56%、別のラン藻Synechocystis sp.strain PCC6803と72%の相同性を示したことから、P.boryanumのpor遺伝子と結論した。さらに、このpor遺伝子のコード領域にカナマイシン耐性遺伝子を挿入したプラスミドを構築し、電気穿孔法で野生株細胞に導入することによりpor遺伝子の欠損株YFP1201を単離した。YFP1201は、光独立栄養的に野生株と同様に生育し、野生株と同量のクロロフィルを合成することができた。したがって、このラン藻では光非依存性のPchlide還元系はこの生育条件でも機能しており、光依存性の機能を相補できる程度の活性を有していることが示された。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Fujita et al.: "Identification of the chlB gene and the gene product essesntial for the light-independent biosynthesis of chlorophyll in the cyanobacterium Plectonema boryanum." Plant and Cell Physiology. 37(印刷中). (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] H.Matsubara et al.: "Three iron-sulfur proteins encoded by three ORFs in chloroplasts and cyanobacteria" Photosynthesis Research. (印刷中). (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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