研究課題/領域番号 |
07740631
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物形態・構造
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
安東 宏徳 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60221743)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン / sGnRH / 遺伝子発現 / サクラマス / 繁殖行動 |
研究概要 |
サケ型生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(sGnRH)は、サケ科魚類において性成熟を調節するもっとも上位の制御因子である。また、繁殖行動の一つとして考えられるサケの母川回帰行動の発現の制御にも関わっていると考えられる。sGnRHをコードする遺伝子の発現調節機構を解析することによって、動物の本能行動の一つである繁殖行動の発現の分子機構を明らかにすることができるのではないかという考えのもとに、ヤマメを材料として、次の二つの目標を立てて解析を行った:1.ヤマメのsGnRH遺伝子の構造解析、2.sGnRH遺伝子の発現の制御に関わる環境要因の解析。7年度の研究成果として、この2つの目標に対応して、以下のような研究結果が得られた。 1.ヤマメの遺伝子ライブラリーから、二種類のsGnRH遺伝子(sGnRH-I、-II)をクローニングし、5′上流領域を含む、それぞれ4.8と4.5kbの領域の配列を決定した。sGnRH-IとIIは、他の動物のGnRH遺伝子と共通のエクソン、イントロン構造を持っていた。IとIIの間で比較した結果、コード領域は相同性が高いのに対して、5′上流領域は相同性が低く、それぞれ複数のパリンドローム配列が存在していた。これらの結果は、IとIIで発現制御機構が異なることを示していると考えられ、今後、発現制御に関わるパリンドローム配列の機能を解析していきたい。 2.自然状態におけるヤマメの成長、性成熟にともなったsGnRH遺伝子の発現量の変化を解析するために、北海道立水産孵化場の協力を得て、稚魚から成熟にいたる各ステージのヤマメの脳、血液などを経時的に計16回にわたって採集した。今後、RT-PCR法、あるいはin situハイブリダイゼーション法を用いてsGnRHのmRNAの定量的解析を行いたいと考えている。
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