原生生物の一種であるクラミドモナスの光受容機構はフォトン1個を感受できるほど高感度であることが知られている。本研究では、gene taggingによる 突然変異体を作ることによって光受容に関与する蛋白を明らかにすることを目的としている。Gene taggingにより得られた突然変異体をsingle colonyより増やし、photophobic responseの有無により突然変異体をスクリーニングした。およそ2000コロニーに一つの割合で光に反応しない突然変異体が得られた。現在のところ6系統の光に反応しない突然変異体を得ている。光受容電流を測定したところ、その大きさ、時間経過には差があるもののすべての突然変異体で光受容電流が流れた。光受容電流がない突然変異体を得るべく、さらにスクリーニングを進めている。今回得られた突然変異体のうち2系統については光受容電流に引き続いて起こるfiagellar currentを欠いていた。面白いことに、これらはphotophobic responseは示さないもののphototaxisを示した。このことはphototaxisとphotophobic responseが違う情報伝達系を用いていることを示し、この突然変異体はphotophobic responseに特異的に使われるカルシウムチャンネルの突然変異体であることを示唆している。これらはゲノム中にtagが入っているので遺伝子レベルでの解析が可能であり、現在進行中である。
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