研究課題/領域番号 |
07740649
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物生理・代謝
|
研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
田中 浩輔 杏林大学, 医学部, 助手 (50236585)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 等脚甲殻類 / 心臓抑制ニューロン / 心臓興奮ニューロン / EPSP / IPSP / 自立神経中枢 / 心臓抑制反射 |
研究概要 |
等脚甲殻類オオグソクムシの心臓拍動は、接触などの種々の体外刺激により抑制される。この抑制反射は、心臓抑制(CI)ニューロン活動の活性化と心臓興奮(CA)ニューロン活動の抑制により引き起こされる。CIニューロン細胞体は胸部第1神経節(TG1)に、CAニューロン細胞体は、TG2およびTG3に存在する。両ニューロンから細胞内および細胞外誘導法によりニューロンの活動記録し以下のことを明らかとした。 1.歩脚や遊泳肢への接触刺激はCIニューロンインパルス頻度を増大させ、CAニューロンインパルス頻度を減少させた。これは、脳神経節切除標本においても観察された。さらにCAニューロンの抑制は、TG1切除標本においては観察されなかった。2.接触刺激は、CIニューロンにEPSPを、CAニューロンにIPSPを惹起した。3.TG1-TG2縦連合神経刺激は、CAニューロンに刺激に1対1に対応しないIPSPを惹起した。4.腹髄下動脈灌流による薬物投与により、CIニューロンは、ドーパミン、セロトニンで興奮した。CAニューロンは、GABA、ヒスタミンで抑制された。5.TG1のクロルプロマジン灌流は、末梢神経の求心性刺激によるCI興奮を抑圧した。6.TG3のピクロトキシン灌流は、CA2ニューロンのインパルス頻度を増大させた。 これらの結果から、以下のことが推測された。接触刺激による心臓抑制反射は、受容器から一旦、TG1に入力が集中し、CIニューロンを興奮させる。この回路には、ドーパミンおよびセロトニン作動性ニューロンが関わっている。一方、CAニューロンへの抑制入力は、TG1を経由して、TG2およびTG3内のニューロンから抑制入力を受ける。この回路には、GABAおよびヒスタミン作動性ニューロンが関わっている。
|