研究課題/領域番号 |
07750001
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤田 秀二 北海道大学, 工学部, 助手 (30250476)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ice / microwave / dielectric / resonator |
研究概要 |
本研究を実施した目的は、従来から測定の空白域となっている氷のマイクロ波・ミリ波誘電特性を、高精度測定の可能な手法である開放型共振器法を用いて測定し、新たに明らかにすることにあった。設計した開放型共振器は、26.5GHz〜40GHz(Kaバンド)で使用可能なものであり、この周波数帯の誘電特性を調査した。氷結晶の誘電特性としては、純粋単結晶の複素誘電率テンソル(結晶軸方位依存性)、0℃〜-60℃の範囲の温度依存性をまず調査した。これを基礎データとし、さらに多結晶氷や粉体氷の誘電特性を調べ、単結晶の場合と比較した。これにより、天然の雪や氷の内部で起こると考えられている電波散乱の効果を実験的に検知することができた。この成果の初期結果は速報として論文公表された。 当研究において、高精度測定のためのポイントは測定治具である開放型共振器の製作と調整にあり、年度の前半はこの製作と、最大限の性能を引き出すための調整作業にあてた。測定に必要なシステムのうち、共振器は別途の予算で準備できたため、科学研究費補助金は、測定サンプルと測定系そのものの電気特性を実測できるようにする目的で、エレクトロメータの調達にあてた。その他の測定系は申請者の従来の研究により確立しているものを使用した。 氷のマイクロ波・ミリ波誘電特性は、近年実用上の重要性が上がっているにもかかわらず未知であるため、これを調査にすることは、結晶格子の振動に起因した氷の高周波電気物性がわかるばかりでなく、地球雪氷圏、さらには氷惑星電波探査の鍵になる物性が明らかにする点で意義が大きい。したがって、今回明らかになった30GHz付近の周波数帯の結果をふまえて、将来は依然未知のまま残っているより高周波(100GHz付近)の研究が重要であると考える。
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