研究課題/領域番号 |
07750028
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
虻川 匡司 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (20241581)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 光電子ホログラフィー / 後方散乱中速電子回折 / 光電子回折 / キクチ電子回折 |
研究概要 |
本研究目的は、原子を放出源とする電子波の回折現象をホログラフィーとして解析する場合、実用に耐える表面の構造解析を行うためにはどのような実験を行い、どれだけの測定データが必要であるかを調べることである。ホログラフィーとして扱える可能性のある回折現象の中で、本研究では、エネルギーの走査も簡単に行える後方散乱中速電子回折(キクチ電子回折)を対象にして研究を行った。 実験に先だって、実験装置の制御系の整備を行った。具体的には、後方散乱中速電子回折を測定するための2次元阻止型分析器に阻止電圧を与える電源部を作成し、および阻止電圧の印加とCCDカメラによる回折パターンの取り込みを制御するコンピュータシステムの整備を行った。これにより、阻止電圧の走査や測定の積算が可能になり、測定データの質が飛躍的に向上した。また、その結果回折電子のエネルギースペクトルの測定が可能となり、弾性散乱ピークを正確に分離することが可能になった。このシステムを使用し、Si(001)表面の後方散乱中速電子回折パターンの測定を行った。使用した2次元阻止型分析器は、球面グリッドにより74°の広い角度範囲の回折パターンを一度に測定できる。さらに、ホログラフィー解析を行うために十分なデータとなるように、運動エネルギーを変えた場合の回折パターンも多数測定した。ホログラフィー手法により、測定したデータを実空間像に変換して実空間像の精度を検討したが、期待した程の精度は得られなかった。現在、実空間像の精度の向上を目指してホログラフィー解析手法の改良を行っている。解析については、今後の課題として残ったが、実験手順・条件を確立するという目的はほぼ達成できた。
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