本年度の研究実施計画は、以下の2つに大きく分けた。 (1)1番目の過程として、表面に真空雰囲気から吸着する元素の影響を取り除くために、極高真空中(<1x10^<-12>Torr)において単結晶下地表面の電子状態の測定を光電子分光法によって行い、吸着子を意識的に導入した場合と比較した。この方法によって、表面不純物が禁制帯中に表面準位を形成することを確認し、現在までに得られている電子輸送障壁の物理化学的な傾向と比較検討した。最終的に、それらの測定結果は、分子軌道法の計算結果と比較検討され、単結晶表面の表面準位と吸着子の及ぼす影響が同定されると考えられた。 (2)2番目の過程として、固溶元素の表面準位への影響を評価するために、通常の下地単結晶と固溶元素を結晶成長時に導入した低欠陥の高品位エピタキシャル薄膜を用いて、最表面での電子状態に及ぼす固溶原子の影響を比較した。
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