研究概要 |
本研究の目的は,高繰り返し高出力レーザーを用いて卓上型の高繰り返しX線レーザーの開発を行うことであった.ここで必要なことは(1)高性能の励起用高出力レーザーシステムを開発すうること、(2)そのようなレーザーを用いて高強度電場物理の解明を行うこと、及び(3)実際のX線レーザーシステムの開発である。(1)ではKrF レーザーでKHz、7Wという超短パルスとしては世界最高の平均出力を得た(Opt. Lett. 掲載予定).チタンサファイアレーザーでは30fs.2.6TWの出力を得た。また今後のKrFレーザーの高出力化に不可欠な定常チャープパルス増中法を色素レーザーで実証した(Appl. Opt. 掲載予定)。(2)としては高出力化を目指し、チタンサファイアレーザーの2,3倍波を位相をずらして重ね合わせることにより1ケタ強度を増やすことに成功した(J. Opt. Soc. Am. B)。又チタンサファイアレーザーの円偏光を用い、各イオン価数から生成する電子のエネルギー分布を分離して観測し、電場誘起衝突型レーザーの重要な知見を得た(Appl. Phys. B)さらに高次高調波のパルス中をポンプープローブを用いて計測した。これはある次数の高調波は中性原子には吸収され、イオンには吸収されないという性質を利用したものでパルス中260fsを得た(Opi. Lett. 掲載予定)。 今後の課題としては項目(3)の実際のX線レーザーシステムの開発が残された。
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