研究課題/領域番号 |
07750057
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
笹木 敬司 大阪大学, 工学部, 助手 (00183822)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | レーザーマニピュレーション / 微粒子 / 光反応 / 化学センサー / 3次元空間分解 / pHプローブ / 電気二重層 |
研究概要 |
本研究ではpH感応高分子微粒子の光マニピュレーションを利用して水素イオン濃度の3次元不均一分布を計測する新しい手法を開発した。pH感応高分子としては、アクリルアミド、N,N-メチレンビスアクリルアミド、フルオレセインアミン誘導体の共重合体を作製した。微粒子を生成する手法として、粉砕法、種々の活性剤によるエマルジョンを利用した手法、噴霧による気体中液滴による手法などを実験的に検討した結果、1μm以下の微粒子を作製するには粉砕法が最適であった。作製した微粒子をナノメートルオーダーの精度で走査するためには、Nd:YAGレーザーを顕微鏡下で集光し放射圧で微粒子を捕捉する光マニピュレーション法を応用した。本手法は非接触・非破壊的な微粒子操作技術であり、試料の物理化学的環境に対する影響もほとんどなく、また、従来のファイバーチップに比べてプローブが試料に接触したときの損傷が小さいという特徴もある。レーザー操作による微粒子の位置制御は、理論的、実験的に約10nmの精度が得られることを確認した。 この微粒子をpHの異なる緩衝液中で励起光を照射し、高感度マルチチャンネル分光検出器で蛍光スペクトルを観測した結果、各位置毎のスペクトルから水素イオン濃度分布を解析できることを確認した。本pHプローブ顕微鏡を用いてガラス/水界面の電気二重層の測定を試みたところ、水中とガラス界面近傍におけるpHの差を観測することができた。本手法で得られる空間分解能は光の波長には制限されず、微粒子の大きさと走査の精度によって決まり、ナノメートルオーダーの計測を実現することができ、今後、色素の退色などいくつかの残された問題を克服してナノメートルの分解能で空間分布を観測することを試みたい。
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