本年度は、フォトポリマーを用いて、サブマイクロメートル寸法の近接場顕微鏡用光ファイバー・プローブを製作した。シリカの光ファイバー表面にモノマー溶液を塗布し、紫外線によりポリマー化して固定化した。これにより、さまざまな機能をもつ光波長以下の光ファイバー・プローブが製作可能となった。実験は、1.光ファイバー表面の活性化、2.モノマー溶液の塗布、3.紫外線による固定化、の3段階に分けて行った。 その結果、以下の知見が得られた。 1.光ファイバー表面の活性化は必ずしも必要でないこと。これは、塗布するモノマーにもよるが、我々が使ったモノマー(HEMA)では表面の活性化の効果はあまり大きくなかった。 2.粘性の小さいモノマーが必要であること。モノマーを光ファイバーの先端に塗布する時に、モノマーを毛細管に入れて塗布した。粘性が大きいと、表面張力により毛細管の先端までモノマーが行かなく、塗布できないことがわかった。 3.空気中でも光重合が可能なこと。連鎖反応による光重合反応では、酸素がポリマー化を邪魔をするということが知られており、窒素雰囲気中で行うことが知られている。しかし、我々が固定化の量が極めて小さいことから、窒素雰囲気中でなくともある程度可能なことがわかった。
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