研究概要 |
ワイヤシュトラスの修正関数を複数の点において有理関数によって近以することにより,非線形方程式の多段同時反復解法を導出した.この同時反復解法は関数値のみを用いて高次の方法が得られるため,代数方程式だけではなく超越関数を含むような方程式においても利用可能である.この結果はJ. Comput. Appl. Math. に採録が決定し,平成8年に発表される予定である. この同時反復解法の初期近以解を得るために,与えられた領域内部の解の分布を大域的に求める方法について研究した.これは高速Fourier 変換を利用して単位円内部の解の分布を求める問題をmoment 問題に帰着させる.このmoment 問題をユークリッド算法によって解くことにより,解の大域的な分布を得る.この結果ドイツで行われたICIAM95 (応用理数に関する国際会議)において発表し,論文投稿した. また,これからの成果を数学ソフトウェアとして利用するために,普段用いているような自然な数式を利用してソフトウェアを記述し実行するための環境について研究を行った.ユーザインターフェイスを作成してプロトタイプ実験を行った.この結果は日本応用数理学会論分誌第6巻に掲載が決定し,平成8年に発表される予定である.
|