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分子動力学法によるナノ切削機構の原子論的アプローチに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07750125
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 機械工作・生産工学
研究機関北海道大学

研究代表者

柴田 隆行  北海道大学, 工学部, 助手 (10235575)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード超精密切削 / 分子動力学法 / ナノ切削機構 / 延性モード切削 / シリコン単結晶 / 銅単結晶
研究概要

銅単結晶およびシリコン単結晶の超精密切削実験を行い、透過型電子顕微鏡によって加工変質層を結晶学的に解析した。また、分子動力学法によるナノ切削シミュレーターを開発し、原子レベルでの材料の変形挙動を動的に観察した。切削実験および計算機シミュレーションから得られた知見に基づいて、ナノ切削機構を考察した。得られた結果をまとめると次のとおりである。
(1)銅単結晶のナノ切削機構
(1)すべり面をすべり方向に切削した場合の変形は,主に切削面と平行なすべり面の活動によって起こる.このため,切削面表層では積層不整が起こるが,結晶の回転はほとんど起こらない.
(2)上記(1)以外の結晶方位に切削した場合には,切削面表層で結晶の回転が起こる.さらに,結晶の回転は細長い結晶粒を単位として起こり,(110)面を[110]方向に切削した場合のように,切削方向とすべり方向が同じときには結晶粒の長手方向と切削方向とは一致する.
(3)切削面の変形機構は結晶方位によって大きく異なるが,切込み量が微小な超精密切削においては,このような変形は表面あらさなどの切削面性状の違いとしては現れない.
(4)加工変質層は結晶方位によらず、表層の微細多結晶層と切削面に平行なトルセル組織の層状構造からなる。
(5)切削初期段階の変形挙動に関してシミュレーション結果と実験結果に整合性が認められた。これにより、微小領域での材料の変形挙動の動的観察が可能となった。
(2)シリコン単結晶のナノ切削機構
(1)加工変質層は表層のアモルファス層と内部の転位層からなる。また、流れ型の切りくずが得られる場合には、その構造は完全なアモルファス相となっている。
(2)内部に導入される転位は、被削材の結晶方位および工具形状に依存する。
(3)微小領域での脆性-延性遷移はすべり変形の起こり易さに大きく依存する。
(4)上記(3)の結果に基づき、すべり変形の起こり易さを数値化するためのSlip modelを提案し、結晶方位に依存する脆性-延性遷移点の違いを予測可能とした。
(5)銅単結晶の計算機シミュレーションとシリコンの切削実験の間の相関を見いだし、すべり変形の動的観察の結果に基づき、工具形状(すくい角)に依存する脆性-延性遷移点の違いを明らかにした。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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