研究概要 |
固相拡散接合は,母材への影響が小さい非常にクリーンな究極の接合技術の1つとして研究が盛んに行なわれている.一方,マイクロマシンが近年注目され,様々な加工法が研究されている.しかし,その組み立てとくに接合技術については研究が少ない.このような微細部品の接合には上述のようなクリーンな手法が最適かつ不可欠である.そのような状況下で,顕微鏡下で微小機械要素の固相拡散接合の観察あるいは試験が実施できるマイクロファクトリ(超小型組み立て工場)の試作を行ない,理論およびシミュレーション構築のための基礎資料を充足することを目的として,本研究は実施された.得られた成果などは以下のとうりである. (1)加熱ステージを開発した.本ステージは,タンタル線の抵抗加熱に基づくもので,直径7mmの作業面積をもち今回の昇温試験では短時間に,約1000℃まで加熱可能であることを確認した. (2)試料を保持するためのマニピュレータを開発した.本マニピュレータは,圧電素子の作動変位を2段の×10のてこにより増幅するもので,およそ0.1mm程度の試料を保持することが可能である. (3)保持した試料を位置決めするための移動メカニズムを開発した.本メカニズムは2次元のインパクトドライブ機構を利用したものである. (4)(1)〜(3)は走査型電子顕微鏡内での作動を考慮されている. (5)残された課題は:試料の位置決め機構の制御.加熱ステージの高機能化.などである.
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