研究概要 |
六角形ハニカムサンドイッチ構造の保温壁の内部に生じるふく射および対流伝熱について,その熱伝達率を測定し,多孔質材による伝熱抑止の効果について検討した.すなわち,内部が多孔質で充たされているハニカムサンドイッチパネルが鉛直に置かれた場合について伝熱実験を行った.実験は,ハニカムコアの形状比をH/L=11固定とし,平板直接法(JIS A1413)に基づいて伝熱量を測定し,その結果を数値解析結果と比較検討した. 〈伝熱実験〉 本研究費補助金を受けて,縦横300mmの大きさの試験体(保温パネル)の熱伝導率(熱伝達率)を平板比較法で自動計測する装置を完成させた.この装置を用いて,厚さL=30mmの六角形ハニカムサンドイッチパネル(セルのサイズH=30mm)の内部に多孔質材を充填して鉛直に置いた場合について,伝熱量を測定した.なお,実験に用いたハニカムコアは上質紙で作られ,内部に充填する多孔質材には目の粗い発泡プラスチックを用いた. 〈数値解析〉 ハニカムサンドイッチパネルは多数の六角形断面のセルが連なっているので,それらの一つを考え,内部のふく射と自然対流について,ふく射の伝播をRosselandの近似で,流れをDarcyの法則で扱い,実験と同条件での数値解析を行なった.その結果,実験結果と解析結果は良く一致した.
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